

ドライビングの楽しさを追求した「スポーツカー」
いかに速く走るか。いかに速くコーナーを回るか。「スポーツカー」とはスピードや操縦性を追求したものだが、それ以上にドライビングを楽しむためのクルマだ。エンジンのパワー、低重心化、ボディの軽量化などによって「走る・曲がる・止まる」を極め、乗る人に感動や歓びを与える。それがスポーツカーの原点だ。純粋にスポーツ性を追い求めたモデルを「ピュアスポーツ」と呼ぶこともある。なお、屋根の開くオープンスポーツは別ページを参照のこと。

さらに高性能・高価格な「スーパースポーツ」
スポーツカーの中でも、特に高性能なものは「スーパースポーツ」、俗に「スーパーカー」とも呼ばれる。非日常的なスタイルや性能を狙ったもの、レーシングカーに限りなく近いもの、ポルシェ911のような高性能かつ実用的なものなどに大別できる。家が買えるくらいの新車価格も条件の一つだろう。
広さよりもタイト感、豪華さよりも機能性
広さよりもクルマとの一体感、豪華さよりも機能性を重視した室内に、バケットタイプのシート(腰や肩のサポートが高いもの)を備える。重心を低くするため着座位置も低く、乗り心地よりもクルマの運動性能を重視。あくまでもドライビング優先の設計だ。
ロー&ワイドフォルム。エアロダイナミクスを重視
スポーツカーで最も重視されるのは重心の低さと重量バランス。実用性を損なわない範囲で低ければ低いほどよく、室内の広さよりエンジンの搭載位置がしばしば優先される。また、空気抵抗の低減を図りつつ、高速走行時の安定性を確保するためにエアロダイナミクス(空力)も重視される。

意外に運転しやすく快適。
本当に乗りこなせる人は少ない。
重心やアイポイントは低いが、運転しにくいタイプは今や少数派。現代のスポーツカーはエアコンやパワーステアリングといった快適装備を当然のように備える。ただし車高(最低地上高)が低いので、段差では要注意。視界も良くないものが多い。パワーウェイトレシオ(車体重量/馬力の比率)が5kg/psを大幅に切るモデルは、文字通り爆発的なパワーで加速する。アクセルワークはくれぐれも慎重に。
燃費は排気量によってまちまち。
リセールバリューは高し。
高性能=燃費は良くない、と思いがちだが、軽量なスポーツカーは同排気量のセダンやSUVより低燃費だ。そうは言ってもアクセルを踏ませるのがスポーツカーなのだが。高価格車であればそれなりに維持費は掛かるが、コンディションさえ良ければリセールバリューは悪くはない。特に人気モデルは高値を維持することがままある。
収納スペースやトランクもいちおうある。
生活の道具としては限定的。
生活感のないところがスポーツカーの魅力なので、積載能力を求めること自体が矛盾しているが、昨今のモデルは手回り品の収納スペースやゴルフバッグ等が積めるトランクを備えるものがほとんど。ただし2人乗りの場合は、現実に2人乗ると荷物の置き場に困ることがある。
経済的に余裕のあるクルマ好き。
もしくは「クルマが趣味」と言い切れるクルマ好き。
輸入スポーツカーの場合、新車価格で500万~1000万円前後、スーパースポーツならば数千万円で経済的に余裕がないと購入は難しい。が、ユーズドカーとなるとそうでもない。一つだけ確かなのは程度の差こそあれ、みんなクルマ好きであることだ。
意のままに走り、曲がり、止まる。これらの要素をぎりぎりまで高めたスポーツカーは、最先端の技術やノウハウが注がれている。メーカーにとっては威信をかけたモデルであり、技術力がはっきり表われてしまうジャンルだ。ゆえにそうやって生まれた名車を所有する歓びは何にも代えがたい。
なのでクルマが好きでスポーツカーが好きなら、老若男女関係なくぜひ手に入れるべきだ。スペックや便利さだけではない、クルマやそのメーカーが持つ本質的な魅力に触れることができるはず。実用性や世間体などで乗りにくい状況もあると思うが、人生を楽しいものとするのにスポーツカーほど効く薬はない。


BMWのモータースポーツ部門を担当する「M」社によるチューニングを受けたBMWの高性能モデル。中でもBMW3シリーズをベースとしたM3は「羊の皮を被った狼」という表現がぴったりのモデル。スポーツカーとしてはZ3ベースのMクーペ/Mロードスターもある。
ポルシェの代名詞とも言えるのが、主力モデルの「911」シリーズだ。水平対向6気筒エンジンをリアに積む独特の設計ながら、その性能は昔も今も第1級。クーペ、カブリオレ等、豊富なバリエーションがある。近年は2シータークーペのケイマンも登場している。
言わずと知れたイタリアン・スーパースポーツにして“走る芸術品”。F1をはじめレースを中心に活動していることから、市販車にはレーシングカーの技術が色濃く反映されている。V12モデルもあるが、近年は360モデナ(1999~2005)や現行のF430(2005~)などのV8モデルが人気。F430の新車価格は約2200万円~。

フェラーリに対抗すべく1962年に登場したスーパーカーブランド。一世を風靡したカウンタック(1973~90年)、ディアブロ(1990~2001年)に続き、アウディ傘下にある現在はV12エンジンのムルシエラゴ(2001年~)、V10のガヤルド(2003年~)という2つのモデルを展開している。ムルシエラゴの新車価格は約3200万円~。

フロントに大排気量V8エンジンを載せ、巨大なトルクで加速するアメリカン・スポーツの代表格。1953年の初代から続く伝統的なモデルであり、欧州製高性能スポーツに匹敵する性能を誇る。