

実用性の高いオールラウンドタイプ
VWゴルフ、プジョー306/307、アルファロメオ145/147などが属し、通称「Cセグメント」と呼ばれる。高級・高品質化が進んだ最近になって「プレミアムコンパクト」と呼ばれ始めた。ボディ形状はハッチバックのコンパクトカー。多くは5人乗りで、ハッチバックゆえ荷物も積みやすい。走りも軽快で、燃費も悪くない。新車価格は200万~300万円台。ひとことで言って、オールラウンドに優れるクラスだ。

さまざまな派生モデル
プレミアムコンパクトは、さまざまな派生モデルのベース車でもある。強力なエンジンを積んだ高性能モデル(ゴルフGTI、アルファ147GTA)、セダン(VWジェッタ)、ステーションワゴン(ゴルフワゴン)、ミニバン(VWゴルフトゥーラン、オペル・ザフィーラ)、オープンカー(ゴルフ・カブリオレ、307CC)など、各メーカーが多種多様なバリエーションを展開している。
運転しやすいドライビングポジション。
後席が広く、大人4人が快適に乗れる
ハッチバック車の中でも、プレミアムコンパクトの室内は比較的広く、快適で安心感がある。運転姿勢も自然で、視点も高すぎず低すぎず。後席の広さならセダンを越えるものもある。
サイズ:全長4.0~4.4メートルほどでコンパクト。
デザイン:実用的、カジュアル、パーソナル
「プレミアムコンパクト」=「ハッチバック(車)」の上級モデルだ。ハッチバックとは、ボディ後部にハッチゲート、つまり跳ね上げ式のドアを備えたクルマのこと。「3ドア」もしくは「5ドア」とも言う。
排気量は1.6~2リッターが主流。
日本の路上では、必要十分な性能。
高性能グレードは、スポーツカーに匹敵する走り
コンパクトなので、駐車時や狭い道路でのすれ違いなどは安心。中には小回りが苦手なモデルもあるが、「どうしても困る」レベルではない。高速走行時の安定性、静粛性、乗り心地は今や一昔前の上級セダン並み。エンジンは1.6~2リッターの4気筒が主だが、ターボやスポーツサスペンション等で走行性能を高めたスポーツモデルも根強い人気がある。
平均的な燃費性能。平均的な諸費用。
輸入車ではハイオク指定が多い
このクラスを代表するVWゴルフGLi(2004年式、2.0L、6AT)の10・15モード燃費は12.0km/L。燃費が良いのに越したことはないが、走りの良さを天秤にかければ納得できる範囲だろう。ただし、輸入車のほとんどはハイオクガソリンが指定となる。自動車税は、1.5リッター超2リッター以下なら年間3万9500円。ちなみに「1リットル超1.5リットル以下」は3万4500円、「2リットル超2.5リットル以下」は4万5000円だ。家族のファーストカーとして考えれば、経済的にも中庸な選択だ。
日常的な荷物なら大抵のものを飲み込む。
後席を倒せばステーションワゴン的な使い方も可
トランクの平均的な容量は5名乗車時で300リッター前後で、ゴルフバッグなら2つ、大型スーツケースなら1つといったところ。さらに後席を畳めば、自転車が1台(スポーツ自転車なら2台)、分解式ベッドや小型ソファが積める場合もある。こうした実用性も人気の秘密だ。
国産車に物足りなさを感じつつ
経済性や合理性も重視する賢いユーザー
サイズの手ごろ感、走り、運転のしやすさ、経済性、実用性。Cセグメントカーはすべてそつなくこなす万能のクルマ。それだけにユーザー層は様々だが、一つ言えるのはあえて国産車ではなく、輸入コンパクトを選ぶユーザーだということ。理由はデザインだったり、ブランドだったり、性能だったりするが、やはり何らかの「こだわり」を持って、物を選ぶ人であるとは言えるだろう。
コンパクトカーの中でも、室内の広さと高級感をそつなく備えるのがこのクラスだ。ある意味「これ以上大きくて高級なクルマは贅沢品」と言ってしまってもいい。最大5人乗れて、いざとなれば大物も運べて、なおかつデートカーとしてもOK。それこそ独身時代から、結婚して子供が生まれて大きくなるまで過不足がない、人生の友となりうるクルマだ。
プラスαや個性を求めた時もちゃんと応えてくれる。高性能ならゴルフGTI、FR(後輪駆動)信奉者にはBMW・1シリーズ、スタイルに惚れたらアルファ147、肩ひじ張らず人生を楽しみたい人にはプジョー307など、まさにクルマも生き方もいろいろ。初めてのクルマとして、直感で選んでも間違いはないし、ベテランを満足させる奥深さもある。クルマ選びは「ハッチバックに始まり、ハッチバックに終わる」と言っても過言ではない。国産車を乗り継いできた人には、ぜひこのクラスで新しい思想や雰囲気を味わって欲しい。

ハッチバック車を世界に広めたのがフォルクスワーゲン社の「ゴルフ」。初代は1972年に登場、写真はその4代目にあたる。高速安定性や頑丈な作りに定評があり、最近のモデルは上質感でもクラスをリードする。
欧州で高い人気を誇るオペルのCセグメントカーが「アストラ」だ(写真は日本で2004年に発売された3代目)。品質感の高いシャープなデザイン、最新のドイツ車らしい強靭なボディ、シュアなハンドリングなど、その完成度はVWゴルフの好敵手と呼ぶのに相応しい。
このクラスの大多数は前輪駆動だが、1シリーズ(2004年~)は高級車やスポーツカーと同じFR(フロントエンジン・リア駆動)を採用。「駆けぬける歓び」がテーマのBMWらしく、きわめて洗練されたハンドリングを誇る。
久しくセダン作りに専念してきたアウディが久々に放ったハッチバックモデル。初代は4代目ゴルフがベースで、2003年から導入された2代目(写真)は5代目ゴルフと基本メカニズムを共有する。もちろん高品質や洗練された走りはアウディならでは。FFハッチバック車のハイエンドモデルだ。
ボディサイズからすれば1つ下のクラスだが、内容的にはゴルフのライバル。分厚い二重フロアの上に人が乗るサンドイッチコンセプトを採用。ボディはコンパクトだが、大型車に匹敵する安全性と室内空間を確保している。写真は初代Aクラス。
コンパクトカーの国、フランスを代表するのがプジョー社の「307」(2001年~)。クラスの枠を破る一回り大きなボディで、室内はミニバンのように広い。ドイツ車とは違ったオシャレなデザインや雰囲気が味わえる。
イタリアの情熱を日々感じさせてくれるのが名門アルファロメオの「アルファ147」(2001年~)。美しいスタイリングに加えて、マニュアルもしくはセミAT「セレスピード」によるスポーティな走りで男性のみならず女性からも支持されている。
147の前にアルファロメオのボトムレンジを担っていたのが145。3ドアハッチバックのマニュアルのみで、2リッターツインスパークエンジンを搭載する。いかにもアルファらしい爽快なエンジンの吹け上がりとサウンド、軽快なハンドリング、個性的なスタイリングが楽しめるアルフィスタ絶賛の1台だ。
アメリカンな雰囲気を手軽に味わえるのがこのPTクルーザー(2000年~)。1930年代~40年代の旧き良きアメリカ車を現代的にアレンジしたデザインが何よりの魅力。ファッション性と実用性を兼ね備えた個性派ハッチバックだ。