


オーソドックスな3ボックススタイル、
輸入車ならではのステータス、
無理せずに手の届く価格帯
BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスといったいわゆる「プレミアムコンパクトセダン」は、今も昔も「輸入車のスタンダード」として人気のカテゴリーだ。通称「Dセグメント」と呼ばれる。
基本的な要件は、全長4.4~4.7m前後の3ボックスセダンで、エンジンは主に1.8~3.0Lクラスの4~6気筒を搭載する。駆動方式はFF(アウディA4、アルファ156など)、FR(BMW 3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラスなど)、あるいは4WD(アウディA4クワトロ、ジャガーXタイプなど)と多様。各メーカーの主力車種でもあり、スタイリング、走行メカ、装備など、各社の特徴を凝縮した力作ばかりだ。
充実した装備、高級感のある室内
後席の居住性はモデルによってまちまち。
インテリアは、デザイン・質感ともに各社の持ち味を出すためにかなり凝っている。メルセデスやジャガーは木目をふんだんに使ったラグジャリーなものだし、アルファロメオやBMWはスポーティ、アウディやフォルクスワーゲンは高い品質感、といった具合に、各社の個性は明確だ。居住性は大人4人が十分くつろげるスペースを確保しているが、クルマによって後席はやや狭めのものもある。
全長4.4~4.7メートル前後
3ボックススタイルでフォーマル性が高い。
端正な3ボックススタイルがDセグメントの特徴。近年ではゴルフクラスも高級感を備えるが、あちらはあくまでもカジュアル。プレミアム度ではやはりこのクラスが上だ。ただ、最近はスタイルや居住性、側面衝突安全性を目的としたワイドボディ化が顕著で、全幅1800mm以上のモデルも少なくない。「コンパクト」と呼ぶのもいささか憚(はばか)られる大きさになりつつあるのも確かだ。
排気量は2~3Lの4~6気筒が主流
FR、FF、4WDと駆動方式はさまざま。
高級感のある優れた操縦性を追求してFR方式を採用するモデルが多いが、近年はFF車でも優れたハンドリングを得られるようになっており、また雪道などの走破性はFFや4WD車の方が一般的に有利と言える。NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)の低減もCセグメント以上に行なわれており、高速走行時の快適性も十分に高い。

自動車税は年間4~5万台が主流。
燃費は国産車並みに向上、下取り価格は高め。
自動車税は1.5リットル超2リットル以下なら3万9500円、2リットル超2.5リットル以下なら4万5000円、2.5リットル超3リットル以下なら5万1000円。燃費の点でも排気量が小さい方が有利だが、動力性能と経済性のバランスを考えてモデル選びをしたい。
国産車よりも燃費が悪いと言われてきた輸入車だが、このクラスでは今やほとんど差はない。
輸入車で人気のカテゴリーのため、下取り価格は総じて高め。ホワイト、ブラック、シルバーなどのモノトーンカラーが大多数を占めており、Uカー相場でも若干高値で取り引きされている。アルファロメオに限っては赤が人気だ。BMWのMスポーツなど、スポーティな装備を充実させたモデルも人気が高い。
独立したトランクを持つ。
ゴルフバッグ4つが標準的な容量、
後席のトランクスルー機構を備えるものも。
ハッチバック等と異なり、人と荷物をちゃんと積み分けられるのがセダンのいい点だ。容量は400~500L級(ゴルフバッグが4つ分程度)が主流で、後部座席の背もたれやアームレスト部分を倒して室内側とつなげる「トランクスルー機構」を備えたモデルなら、より大きな荷物や長尺物が積める。
30代から上の男女が主
一概には言えないが、20代では若すぎるし、4~5人家族のファミリカーとしては手狭というのがこのクラスだ。よって年齢的には30代以上の男女、使われ方としてはパーソナルな用途が多い。街中での取りまわしや自宅のガレージの広さを配慮し、このクラスのセダンを買い換えてゆく層も多い。もっと大型のクルマも視野に入ってくるが、あえてコンパクトなボディを優先する。そんな「通(つう)」で、スマートなオーナー像が見えてくる。
Dセグメントはクルマに要求される様々な要素を高い次元でバランスさせたクルマだ。大人4人が快適に移動でき、高品質の内外装、優れた操縦性、実用性を兼ね備える。ぜひ一度、国産高級セダンのユーザーに輸入車ならではの運転する楽しさ、所有する歓びを味わって欲しい。個性豊かな車種が豊富にそろうプレミアムコンパクトセダン。ワンクラス上のクルマ選びを望むなら、まずはこのカテゴリーから輸入車ライフを始めるのもおすすめだ。


BMWが得意とするFRスポーツセダンの大本命。現行モデルは2005年に登場。前後重量配分50:50にこだわり、直列6気筒のパワーフィールにも定評がある。カブリオレ、ツーリング、クーペのほか、高性能モデルのM3もラインナップ。
1980年代に登場した190Eに端を発するコンパクトセダン。3シリーズが最大のライバルだが、BMWがスポーティ路線を追求するのに対して、メルセデスは安全性や高級感を磨き上げて対抗する。次期モデルの登場がそろそろ間近か!?
1972年にデビューした80の後継車として登場し、独自のメカニズムと緻密な造りでビッグネームに成長。前輪駆動ながらエンジン/ミッションを縦置き。4WDシステム「クワトロ」の走行性能は高い評価を得ている。
アウディ80をベースとして1973年に登場したVWの中型セダン。2002年にフェートンが登場するまでVWのフラッグシップとして君臨した。6代目となった現行モデルはゴルフベースとなり、2リッター直4、そのターボ、3.2リッターV6を搭載する。
4代目ゴルフをベースに3ボックスセダンとしたのがボーラ。初代ゴルフのセダン版であるジェッタ(Jetta、通称ジェッタI 1979年~)、2代目のジェッタII(1984年~)、3代目のヴェント(Vento、1992年~)を経て、4代目にボーラ(Bora、1998年~)となったわけだが、これらは全て「風」を表す言葉。
アストラとオメガの間に位置するオペルのミドルセダン。エッジを利かせた新世代オペルのエクステリアデザインを採用し、現行モデルは直4またはV6エンジンを搭載。セダン、ワゴンの他、「GTS」のサブネームを付けたハッチバックも存在していた。
405の跡を継いで、1996年にデビューしたプジョーのミドルクラス。エンジンは2.0/2.2リッター直4と3リッターV6の3種類。5MTを搭載したクルマ好きのツボを刺激するモデル「SPORT」もあった。2005年に407へフルモデルチェンジした。
1993年に登場。ベルトーネの薫り漂うスタイリッシュなデザインは紛れもなくシトロエン。窒素ガスとオイルの圧力によって減衰力制御を行う独自のサスペンションシステム「ハイドロニューマチック」やその進化版「ハイドラクティブII」を搭載。00年に後継のC5にバトンタッチした。
彫刻を思わせるウエッジシェイプデザイン、シャープなハンドリング、絶品のエンジンフィールなど、156でアルファの虜になった人は数知れず。エンジンは2L直4、2.5L・V6などがあり、トランスミッションはマニュアルとセミAT「セレスピード」がある。2006年に後継の159が登場した。
旧型は三菱自動車と共同開発のシャシーがベースで、直4エンジンのみのラインナップだったが、現行型はフォードグループのグローバルプラットフォームを活用、全車直列5気筒エンジンを搭載している。ワゴンはV50と呼ばれるようになった。S40をベースに開発された電動メタルトップ・カブリオレのC70もある。
900の後を継いで登場。旧型はハッチバックボディだったが、現行モデルは独立したトランクを持つセダンとなった。細やかにチューニングされたサーブ伝統のターボエンジンは現行型でも健在、トップグレードには250PSを発生する2.8L・V6ターボをラインナップ。