


いま最も人気の高まっているプレミアムSUVクラス
大型のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)を総称するカテゴリーで、ここでは境界があいまいなミディアムクラス(中型)とラージクラス(大型)をまとめて紹介する。SUVとは元々オフロード走行が可能な四輪駆動車だが、近年このクラスでは高級感や押しの強い存在感を重視した「プレミアムSUV」を謳うものが多い。北米を中心に世界中で人気が高まっており、日本でも高級車の新しい形として認知されるようになった。
モデルによって性格はさらに細分化している。本格的な悪路走破性能、スポーツカー顔負けの走り、ミニバン並みの室内空間など、それぞれの方向へ性能を特化させている。
インテリアはまさに高級車。
ボディサイズは大きいが、見切りは良好
ウッドやレザーなど上質な素材をふんだんに使った室内はラグジュアリーな雰囲気。オフロード車とは思えないほどの高級感が昨今のプレミアムSUVの特徴だ。ボディが大きく、視点が高いため、乗っていて安心感があるのも人気の秘密。
堂々たるボディサイズ。
押し出しの強いデザイン
高級セダンに匹敵するプレミアム感を追求し、洗練されたエクステリアデザインを備えるSUVも増えてきたが、依然オフロード車らしい悪路走破性やタフさをアピールするものも人気だ。ラージクラスでは全長5m、全幅2m、全高2mに迫るものも少なくない。駐車場選びには苦労しそうだ。
オンロードからオフロードまで万能の走り。
取り回しは意外にいい
悪路でも車高調整が可能なエアサスペンションや本格的な4WDシステムによって、極めて高い走破性を誇るのは当然だが、近年はむしろ舗装路での操縦性や快適性の向上が著しく、今や大型セダンに迫るレベルにある。視点が高く、タイヤの切れ角が大きいため、街中での取り回しも意外に悪くない。
リセールバリューは抜群。
好燃費は期待できず
巨大なボディを取り回すのに必要な大トルクを得るべく、大排気量のエンジンを搭載する。よって10・15モード燃費は一桁台が普通で、モデルにもよるが実燃費は5km/L前後を覚悟したい。この点は大排気量の高級セダンでも同様だ。リセールバリューは非常に高く、その点では安心できそうだ。
たっぷりサイズのラゲッジスペース。
使い勝手は実用ワゴンと同等
どのモデルも大き目のラゲッジスペースを確保し、実用性をしっかり押さえた作りになっている。リアシートを倒せばさらに荷物が載る点も実用ワゴンと変わらない。リアゲートは通常のハッチバック車のような跳ね上げ式、SUVに多い横開き式、あるいは上下2分割式などがある。
行動的な男性だけでなく、女性にも人気。
経済的なゆとりがある程度必要
セダンに飽き足らず、都会にいてもタフなクルマを求める行動派、といったところだが、実際には運転がしやすいこともあり、女性ユーザーがかなり多いようだ。ファミリカーとしての機能はミニバンに譲るため、どちらかと言えばパーソナルな用途が主となる。ラージSUVともなれば新車で1000万円超となり、購入できるのは限られた人となる。
かつて「砂漠のロールス・ロイス」と呼ばれたレンジローバーも、近年はオンロードでの走行性能や快適性能をとことん突き詰めたモデルとなっている。その結果、ジープやメルセデスGクラスのようなハードコアなクロカン四駆とは一線を画した、ハイエンド・カテゴリーとして認知されるようになった。さらにポルシェ・カイエンのような「最速のSUV」というベクトルのモデルも登場している。こうしたSUVの高速化や高級化は今後も当分の間続くはず。高級セダンやスポーツカーに満足できない人にとっては魅力ある選択と言えるだろう。

フォルクスワーゲンが満を持して投入した大型高級SUV。日本には2003年に上陸した。オンロード性能とオフロード性能、いずれもトップクラスを誇る。ポルシェ・カイエン、アウディQ7と基本メカニズムを共有する。
メルセデス・ベンツが主に北米市場に向けて開発したSUV。オンロード性能を重視して開発されているが、オフロードでの性能も侮れない。初代は1998年に日本で発売され、2005年に2代目となっている。
スポーツカー専業メーカーだったポルシェ初のSUV。兄弟車にVWトゥアレグを持ちながら、その動力性能や操縦性はブランドにふさわしい水準に達している。特にV8ターボを搭載するカイエン・ターボは、間違いなく世界最速のSUVだ。
四輪駆動車の専門メーカーであるランドローバー。その高級SUVの元祖と言えるモデルがレンジローバーだ。特に、英国の伝統とBMWの最新技術が融合した3代目レンジローバー(2002年に日本発売)は極めて高い完成度を誇る。近年はフォードグループ傘下で、オンロード重視の「レンジローバースポーツ」の追加など新たな展開を見せている。
レンジローバーより低価格ながら、同等の悪路走破性を備え、加えてサードシートの採用により多人数乗車も可能なミドルクラスSUV。2005年のフルモデルチェンジで登場したディスカバリー3は、まったく新しいメカニズムを備えた現代的なSUVとなっている。
ボルボ初のSUVであるXC90は、2003年に日本で発売された。横転を防止するロールオーバープロテクションシステムや高い衝突安全性など、同社らしい安全性を重視した作りでオリジナリティを発揮。ゆったりとした走りや派手さを抑えた内外装デザインも同社らしいところ。
1999年に米国で発売された「トレイルブレイザー」は1969年に登場したGMシボレーのオフロード車「ブレイザー(Blazer)」の上級発展版。フルサイズの「タホ(Tahoe)」、「サバーバン(Suburban)」、「アバランチェ(Avalanche)」などより小さい中型上級SUV。
初代フォード・エクスプローラーはブロンコII(ブロンコの小型版)の後継として1990年に登場。アメリカンSUVとして比較的コンパクトな5ドアボディ、ブロンコ風のスクエアなデザイン、快適性や走行性能が評価され、米国ではSUVの販売ナンバー1を誇る。